現在では、モーラー奏法は特殊な奏法としてとらえられているようです。そのために「モーラー奏法をやる前にもっと基本的な事をやってからでないと習得できない」とか「モーラー奏法は基礎ができている人がやる奏法」というような事を耳にします。しかし動的な自然体というものを考慮にいれていない基礎運動の身体感覚と、モーラーでの基礎運動の身体感覚とでは、その両者にかなりの隔たりがあるため、残念ながら、2つの融合はできないと言わざるを得ません。ですから、当ドラムレッスンにおいても、基本的なストロークをとても大切にしています。たくさんの時間を基礎のために費やしています。それがすべての土台となるからです。人体の動きにおける自然体というものを考えると、モーラー奏法は特殊な奏法ではなく、ごくごく自然な理にかなった奏法ということになるのです。
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