上腕の回転について
肘を机の上につけて、腕相撲をするように動かしてみてください。このとき肘の内側の角度が変わらないようにしてみてください。肘が動いていないのに、手のひらが移動します。これはなぜだかわかりますか?
肘というのは蝶番関節(ちょうばんかんせつ)といって、ある一定の方向しか動かないという関節です(厳密にいえば開閉だけでなく左右もほんの少し動きます)。この肘での関節の動きは、上腕と前腕でつくられる肘の内側の角度を変えることができます。しかしこの関節の動きだけでは、腕相撲はできません。肘をつけて、手のひらを自分に向けたまま、顔の前を横切るように動かすのも、肘の関節ではできない動きなのです。この動きは上腕骨が内旋したり外旋したりして、はじめて動くのです。
自覚しているしていないに関わらず、上腕はくるくると旋回しています。
上腕が内旋・外旋しなければ、腕相撲はできません。それどころか、生活そのものに支障をきたすでありましょう。
このように、私たちの上腕は、肘が蝶番関節であることを考えると、回っていることがわかると思います。前腕のしゃっ骨とう骨だけが回転するのではなく、上腕も回っています。この部分の回転は、モーラー奏法においてはとても重要なのです。