インフィニティーの種類
私たちの腕をリラックスさせて動かすと、上腕の回旋を伴うということが前回の内容でした。これはドラムのモーラー奏法に限らず、野球の投球フォームやテニスのスウィング、水泳などの腕を使う運動にとっても、大変重要な動きとなるものです。ここでは、腕の動作のときにあらわれるインフィニティーの種類を2つご説明いたします。 モーラー奏法にとって大変重要な動きです。必ずマスターしてください!
1. インフィニティー
この運動は、前回紹介したものと同じ動きです。
右利きの場合、内回転でできる円が自分の左側に、外回転でできる円を自分の右側につくるように描きます。
ドラムに応用するなら、内回転をスネア、外回転をフロアタムで叩くようにするとわかりやすいと思います。
2. 逆インフィニティー ( カウンター・インフィニティー )
こちらは、1つ目のインフィニティーを描くことができてから、取り組みましょう。
こちらの場合は、一番目と描き方が逆となります。
わかりやすくいうと、右利きの場合、内回転でフロアータムを叩いて、外回転でスネアを叩くような動きです。
一番目とは描き方が逆になるので、自分から見て、右側にできる円が内回転、左側にできる円が外回転ということになります。
当ドラムメソッドでは、ハイハットを刻むときのインフィニティーは、最近ではこちらを推奨しております。
ここで注意してほしいことは、上腕と前腕の動きの関係が、反対になるわけではありません。反対に前腕から上腕に向かって流れをつくってしまうと、肩関節を痛めるリスクが高まります。反対の流れにはならないように注意が必要です。また、上腕の外旋・内旋はストロークがひとつでも、必ず両方出てきます。
例えば、外旋のみ行われて、内旋が行われていないということはありえません。
この2つのインフィニティーは、一番目は取り組みやすく、理解しやすいという面があります。
逆インフィニティーは、内回転と外回転の打点が接近するため、同一の楽器で演奏するときに有利に働きます。
また、もちろんですが、インフィニティーはブラシで演奏するときにも、応用できます。クロック・ワイズとカウンター・クロックワイズという動きが紹介されたことがありますが、これなども、インフィニティーを使えば、すぐに理解できます。簡単にいうと、右腕の場合、クロックワイズが外回転、カウンタークロックワイズが内回転となります。
詳細は、また期を改めてご説明したいとおもいます。
※外回転・内回転という言葉は、当ドラムレッスンにおいて作り出された造語です。解剖学や運動学などには、そのような言葉はでてきません。解剖学ででてくる外転・内転と混同しないように注意してくださいね。
解剖学では、各関節ごとに運動を分解して、理解するにはとても優れているとは思いますが、体全体と腕、脚という観点では分析がされておりません。これは、残念ながら、解剖学にとどまらず、西洋医学がもつ弱点のひとつであろうと思われます。とはいえ、分析するという点では、非常に有効ですので、当ドラムメソッドにおいても利用させていただいております。
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