モーラー奏法 脚への応用2
モーラー奏法の脚への応用の際に大切な事は、脚には腕と違った特殊事情を考慮にいれることです。
その特殊事情とは、何かおわかりですか ?
それは、脚には体を支える役割があるということです。
なあんだ。そんなことあたりまえじゃないか。
と思ったあなた、この事実を甘く見ないでくださいね。このあたりまえのことをいかに的確にドラムに応用するかということが、とても重要であり、大切なことなのです。
つまり、ひとつは、リラックスしてドラムを叩くためには、脚が体を支えることや重力を利用して、体全体の重心をうまく移動させて叩くという発想を持つことが重要です。
もうひとつは、回転運動を主体とした脚の運動でペダルを踏むということです。
私たちの大腿骨は歩いているとき、内旋や外旋という回転を伴って動いていることをご存知ですか ? 当ドラムメソッドでは、この回転を利用してバスドラを踏むように指導しています。
当ドラムメソッドの脚のレッスンは、この2種類の事柄を高いレベルで融合させることをめざしています。
体を支えるということに、能率の良い支え方、能率の悪い支え方があるといったら、おどろかれますか ?
そして、例え 体をうまく支えることができているひとであっても、脚が動かしにくい場所にいすをおいてしまっている人が多く、とても残念に思います。
また、能率の悪い支え方をしていると、膝や足首の関節に無用の負担をかけてしまいます。自分では、体の重さを利用して踏んでいるつもりでも、そのエネルギーの伝達にロスが発生しているということがありえるのです。
また、脚が動きにくいという人は、多くの場合、脚だけを動かそうとしていませんか ? 太ももの大腿四頭筋をメインに動かして、ももの部分を上にあげようとしすぎることで、そけい部あたりに痛みが発生しやすくなるのです ( 注 バスドラを踏むときに、この筋肉を完全に使わないということではありません ) 。大腿四頭筋の中の大腿直筋を使いすぎていると思われます。とくにオスグット病で膝が痛い人は、この大腿四頭筋の過緊張が原因であると考えられます ( 現在は、痛みがひいていたとしても、大腿四頭筋に多くの負荷をかけたままの方が多いです ) 。これのかわりに腸腰筋で股関節を屈曲できれば、その膝の痛みはなくなっていくと当ドラムメソッドでは考えています。また、 腸腰筋の活性化の方法も指導しております。
もうひとつは、足の先の腱でペダルをつついて、脚全体を動かすという方法です。そけい部に痛みが来てしまう人は、足の指の腱がゆるみすぎていないかどうかもチェックしてください。
そして、もう少し、足の先で脚をつつきあげるような感じを取り入れてみてください。ふとももの疲れを改善しやすくなります。
また、骨盤の歪みをとって、不必要な筋肉の緊張をとりのぞくと、骨盤と脚の関係がよくなり、脚が動かしやすくなります。
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