3つの基準面
人の体の動きを、言葉で表すということはとてもむずかしいことです。肩の動きということばひとつとっても、鎖骨の動きをさしている場合もあれば、肩甲骨のうえの僧帽筋の動きを示していることもあります。
自覚している、していないにかかわらず、私たちが人の動きを把握する力は千差万別です。このことは、同じ動作をする場合でも、人によってリラックス感はまったく違ってくるということ意味しています。モーラー奏法が言葉で表現しづらい理由はここにあるのです。
とはいえ、動作そのものを把握するということは、リラックスを進める上でも非常に重要です。このとき大切になってくることが、人は立体であるということです。以前、インフィニティーは立体になっているという話をしたことがありますが、私たちの動作も空間を立体的に運動しています。この空間での運動をしっかり把握するために、3つの基準面を知るということが大切になってきます。
3つの基準面とは、どんなものでしょうか。
当然ですが、私たちの体は立体です。直方体には面が3つありますよね。解剖学や運動学などの分野では、 私たちの体の方向を示す 面を、 この直方体になぞらえて、3つ定義しています。当ドラムレッスンにおいても、モーラー奏法のレクチャーの際に、これらの面の話を使用することがあります。
3つの基準面
1 矢状面(しじょうめん)
2 前額面(ぜんがくめん)、前頭面(ぜんとうめん)
3 水平面(すいへいめん)
別な言い方をすると、
縦・横・高さ
の3つの軸があるとします。この中からそれぞれ2つの軸をつかって面をつくるとします。そうすると、
縦と高さで 矢状面
横と高さで 前額面
縦と横で 水平面
と考えるとわかりやすいと思います。
この3つの基準面を知っていれば、ドラミングにおける、自分の動きを正確に把握することができます。座標の考え方も基本はここにあります。
ぜひ使ってください。