タム移動をスムーズにするには
ドラムの演奏中にタムへの移動が、スムーズにいかないと感じたことはありませんか?
「これには理由があるのです」といったらどうでしょうか。驚かれるかもしれませんね。普通はタムの位置などを近づけることで解決しようとするのが一般的ですが、タムの位置をかえることなく、叩き方で近づけたのと同等の効果をだせるのです。
モーラー奏法を習得して、かつ体の動きをリラックスさせて動くほど、タムが近く感じるのです。イスからの実際の距離はかわらないのに、動かし方を工夫することで、タムが体に近づいてきたように感じるのです。したがってスネアからタムとか、タムからフロアータムへの移動も楽になります。各楽器間の移動が滑らかになり、スピーディーにもなります。
イスにどう座るのか、ということもかなり関係があります。イスに座るというと普通は、体の動きをとめて休むという感じですよね?でもこの感覚がよくないのです。ドラムは全身運動なので、休むつもりでイスに座ってしまうと、体全体が動きにくくなります。体幹部の動きを完全に止めてしまうと、腕や脚の動きに悪影響がでます。
では、どのように座ったらいいのかというと、いつでもスッと立って、踊りだせるような感じで座っているということが大切です。ドラムスローンの上に、オシリをドカっとのせてしまうと、体幹部が動きにくくなります。体幹部は脚を使って動かすということが基本です。完全に休憩するつもりで座ってしまうと、脚の先端のみを動かすということであれば問題はないのですが(その動きは応用として利用することがあります)、脚が動かしにくくなり、したがって体幹部が動かしにくくないます。そうなってしまうと今度は、腕が動かしにくくなっていくのです。
体幹部をうまく動かして、腕にエネルギーを伝えることができれば、腕が動かしやすくなる上に、楽器間の移動がとてもスムーズになります。腕が楽になるだけでなく、タムも叩きやすくになるのです。