屈伸運動と回転運動
私達の主な運動に屈伸運動と回転運動というものがあります。腕について考えてみましょう。屈伸運動においては肘がつくる上腕と前腕の角度は、大きくなったり小さくなったりします。この角度を変えるように動くということは、回転運動がおこらない限り、腕の先から動いてしまいます。こうなってしまうとリラックスしにくい状態になってしまうのです(もちろん屈伸運動がまったくおこらないということではありません。運動の主体が回転運動であるということです)。これは別の言葉でいうと進行方向に近い方から先に動くということになります。自然界にいきている動物たちや一流と呼ばれるスポーツ選手をよくよく観察してみてください。体幹部が腕や足である 四肢を従えるように動いています。それはとてもしなやかで、美しくさえあります。回転運動を利用することで、このようなリラックスした運動ができるようになってきます。つまり腕の運動は回転運動を利用することによって、先端から先に動いてしまうのをさけることができます。しかし、いざスティックでドラムを叩こうとするとき、ほとんどの人が手首付近を体幹部よりも先に反応させてしまいます。そのような場合、多くが力みがちになります。そして力が入りすぎているということに気づかないまま叩いてしまい、スピードや音量をアップさせることができないでいるのです。よく「小手先の技術」「小手先の対応」などとやゆされることがありますが、その小手先とは、まさに前腕部の先端部分のことをいうのです。仕事がよくできる人のことを「腕がいい」といいますよね。「手がいい」といわないのも、意味があるのでしょうね。私達の腕は自然に動いているときは、その多くが回転運動を行っています。その自然な運動に則した叩き方を習得することで、リラックスしたままスピードや音量を上げることが可能になります。
当ドラムレッスンでは、屈伸と回転の運動の効果の違いについて説明し、よりリラックスするために指導をいたしております。