動的自然体について
動的自然体とは少しかたくるしい言葉ですが、決して特別な動きではなく、私達のごくごく自然な動きのことです。リラックスをしようとするときが「動いているとき」ではなく、「静止しているとき」であることが多いため、わざわざ「動的」という言葉がついているわけです。動的であるとは、動いているということです。つまり動きにおける自然な状態ということですね。リラックスを求めるということにおいて、私達の動きが自然であるということが、どれほど大切であるかおわかりでしょうか?動きながらリラックスができたならば、演奏することにおいても、とても大きな効果があるのです。例えば野球選手の動き、マラソン選手の動き、バスケットボール選手の動き、いろいろありますが、これらの選手のがすべて同じ法則のもとに動いているといったら、どうでしょう。びっくりしますか?これらの選手はすべて私達と同じ体を使って動いているのです。体のつくりが同じである以上、リラックスをもとめる動き方も同じであるのです。こうはっきりいってしまうと、「しかし人によって肉付きが違うではないか」、「人によって骨格が違うではないか」、「人によって筋肉の疲れの感じ方がちがうではないか」という意見も聞こえてきそうです。もちろん、肉付きや骨格などが違わないということはありませんが、その違いはわずかなものであり、リラックスの法則が変わってしまうほどまったく別の仕組みをもっているということにはならないのです。モーラー奏法とは、この法則を、腕から先の部分にあてはめた奏法なのです。体全体をリラックスさせるという観点から考えると、本当はモーラー奏法だけでは、まかなえない部分もあるのです。
当ドラムレッスンでは動的自然体をさまざまな形で説明して、演奏にいかしております。