練習習慣の伝承の問題点
リラックスできる基礎練習をするために、モーラー奏法が適しているのは、何度もお伝えしている通りです。あなたの普段の基礎練習は、繰り返せば繰り返すほどつらくなっていませんか?例えば、ダブルストロークやシングルストロークのスピードを上げたりすると、前腕が痛くなったりしていませんか?もしそうならば、基礎練習のときの体や腕の動かし方の見直しをおすすめします。リラックスを目指しているならば、反復練習の過程で、だんだん疲れなくなっていくようにすることが大切です。脱力をともなった基礎練習こそ、リラックスを目指すために必要なのです。一般的な奏法においても脱力の重要性がうたわれてはいます。しかしながら、リラックスをしながら動くことができる法則を知っている方はとても少なく、しっかりとした指導がなされていません。残念ながら、リラックスをするという目標だけが一人歩きしている状態です。脱力を覚えて、モーラー奏法を習得したあと、一般の奏法で叩いている人をみると、とても窮屈そうで、疲れているように見えます。しかし逆にモーラー奏法を習得していないと、この奏法独特の肘を開閉する運動やスティックのチップがインフィニティーを描こうとして動いているのをみて「無駄な動き」に見えてしまうのです。そのためスティックや体の動きを直線的な動きに変換してしまい、かえってリラックスできていないという状況に陥ってしまうわけです。モーラー奏法の動きをみていると、生意気そうでふてぶてしくてふてくされているような動きにみえますが、心までそうなっているかどうかは別問題なのです(心まで生意気になるべきではありません。私達にとって謙虚さというのはとても大切なものです)。これはドラムを指導する立場にあるかたにもぜひ理解しておいていただきたいことなのです。モーラー奏法での演奏は、外見上、生意気そうに見えますが、リラックスを求めた結果そのように動いているのであり、決して不満があるからそのような態度で演奏しているわけではないのです。
また、動きを教えるときは、本当にその動きがリラックスできるのかどうか、しっかりと検証していただきたいのです。ただ習慣で、いままで自分が直線的に動かしていたからという単純な理由で、生徒に動きを強制していませんか?当ドラムレッスンでは、しっかりとした理論で説明し、過去それを手本に動いた人がリラックスできて、「楽に動かせるようになったかどうか」、また「なぜそう動くべきなのか」「なぜそう持つべきなのか」といった理論の検証をおこなっております。大切なのは、本当に楽になっているかどうかということであり、理屈だけの動きではないのです。当ドラムレッスンでは、リラックスして動かすための指導をしております。