座ることと重心移動
背中をぴんと伸ばして座るというのは、ドラムを叩く上で常識となってしまっていますが、じつはこれは腕を動かそうとする(または体全体が動く)ことから考えるとじつに都合が悪いということを知っていますか?背すじを伸ばして座るというのは、静止状態ではいい座り方なのですが、体全体の重心移動を腕を動かしながら、リラックスして行うためには、適していない座り方なのです。ドラムを叩くときは、座ってはいますが、静止しているわけではありません。日常では、座ることは動きを止めることとなっています。しかし、ドラムを叩くということは、座るにもかかわらず積極的に動くことと同じです。つまり動いていくことに適した座り方を考える必要があるということになります。ここはとても大切なポイントなのです。ドラムを叩いていて腰が痛くなってしまう人は、座っているときの姿勢にも注意してください。上半身を動かさないようにしようとしていませんか?腕が動いているのに、上半身を動かさないようにしてしまうと、負荷がかかって背中や腰などが痛くなることがありますよ。リラックスしてバスドラを踏むためには、体の重さを利用することが必要です。そのためには、体全体の重心を移動しやすく座るということが大切になってきます。普段私達は何気なく体全体の重心を移動させて動いています。いろいろな運動がありますが、歩くという行為は代表的な重心移動の一つです。誰もがあたりまのように歩くことができますが、これはとても優れたバランス感覚なのです。ロボットを歩かせようとするときにもこの重心移動はとても重要なポイントですよね。体全体の重心を移動させて動くということは、繊細なバランス感覚を必要としています。それは歩行中にわずかな床のへこみなどでもバランスをくずしてしまうということからもあきらかです。この体全体の重心移動というのは、足だけでなく、腕の動きにもかなり影響します。そういう意味でも座ることと重心移動には深い関係があります。
当ドラムレッスンでは、足モーラーのレッスンの際に、重心移動についても指導しております。