立体のインフィニティー
動画はこちらから 3連系手順3Rスタート
普通の奏法において、チップの軌道は直線的にまっすぐ上がって、まっすぐ下がるというのが常識となってしまっています。その理由は直線的に上下運動をすると、チップが最短の距離を通ることになり、スピードが最も上がりやすいと考えられているためです。もちろん、この理屈自体はまちがっているわけではないのですが、残念ながら、腕をリラックスさせて動くということに注意がむけられていないために、かえってパワーとスピードを出しにくいという状況に陥ってしまっているのです。まずは、腕をリラックスさせて動かす。それができてから、チップの軌道の調整をするというのが、あるべき順番です。さきにチップの軌道を直線的に上下に動かしてしまうと、腕が先端から動いてしまい、疲れやすくなります。
モーラー奏法におけるチップの軌道は、インフィニティー(∞)を描くように動きます。僕のレッスンでもこれを何度も練習してもらいます。ここでは主に腕の「流れ」と「回転」を意識して動かします。わかりやすくするために最初は平面的に練習しますが、本当は立体的に描く方がよいのです。この場合ももちろん先端を意識しすぎて、先端から動いているようでは、とてもつかれるということになりかねません。リラックスをしながら動かすということが大切です。