今回は少し、呼吸について、私が実感していることを中心にお伝えしたいと思います。
呼吸を考えることは、動作においてとても大切なことです。
モーラー奏法においても、例外なく重要なことです。
呼吸は私たちがごく自然に、何もおもいわずらうことなくできる行為です。呼吸法とは、それを意識して行うということになるわけですから、ある意味で自然ではないのかもしれません。
しかし、呼吸をあえて意識的扱うことで、モーラー奏法の習得において大切なある効果が期待できるのです。
それは、
動作の脱力を誘導させることができるということなのです。そもそも、
脱力が難しく感じるのは、なぜだかおわかりでしょうか。それは、
力んでいるのに力みの自覚がないからなのです。モーラー奏法の習得がうまくいっていない人は、例外なくこのことが、自覚できていないか、あるいは脱力が実行できていません。
そこで、呼吸法の効用を利用するのです。
世の中には様々な呼吸法があり、そのすべてを把握することは、困難を極めますが、
大切なことは呼吸法を使って、何をしたいのかを明確にすることです。呼吸法を使って、例えば、脱力をすすめる、動きの質を高める、精神の安定をはかる、気持ちを高揚させる、鋭い分析力を発揮する、などなど・・・・
私事ですが、私は小さい頃から胃腸が弱く、調子が悪くなりやすいのですが、呼吸法を使うと、腸の調子が良くなることが多いです。
なかなか信じがたいことかもしれませんが、呼吸法を使うことで、これらの事柄の精度を高めることができます。
ここでは、呼吸を使って、脱力をすすめられるということをお伝えしたいと考えています。
方法はいたって簡単です。
それは、
動くときに口で息を細く吐く、
苦しくない程度にできるだけ深い呼吸をおこなう、
息を吸うとき主に鼻で吸い、動きはとめておく、(※注1)
これだけです。
もちろん、どんな動きにも応用できます。
不思議なことかもしれませんが、
息を吐きながら動くと力が抜きやすいのです。当ドラムメソッドにおけるモーラー奏法の動きは、腕の動きの質をいかに高めるかを考えていますので、これと呼吸法があわされば相乗効果で脱力がより進行できるわけです。
呼吸法にはさまざまなアプローチがあり、奥が深く、難しくやろうとすると際限がありません。
胸式呼吸、腹式呼吸、丹田、プラーナの摂取、肋骨・背骨・骨盤・インナーマッスルの活性化、横隔膜の意識、気のコントロール、交換・副交感神経との関係など、呼吸法は多くの事柄に深くかかわってはいます。しかしながら、これらのことをよく知らなければ、呼吸はできないわけではありません。あたりまえのことですが、私たちはごく自然に呼吸をおこなっています。呼吸は無意識でもできるし、意識的にもできるものです。気持ちよく行えばなんの危険もありません。呼吸法を難しく考えすぎるのはやめましょう。
呼吸法を難しく考えなくても、気持ちよく息をはいて、少し深めの呼吸を行うだけで、続けるごとに動きはどんどん良くなります。ぜひ、この簡単な呼吸法に取り組んでみてくださいね。
特に力みが取れない人はぜひ取り組んでくださいね。
※注1
実際の演奏中では、もちろんですが、息を吸っているときも動いています。これは、脱力が進んでいない人に脱力をすすめるための方法です。
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